ステンドグラス〜ガラスが描く世界

日本にステンドグラスが紹介されてから、まだ歴史も浅いために、残念ながら世界遺産に認定されているものはありません。しかし、国宝・大浦天主堂を始めとする「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」が2007年に世界遺産の暫定リストに載りました。

ひょっとしたら、日本初の洋風建築による世界遺産になるかもしれません。ここでは大浦天主堂を始めとする、日本にある有名なステンドグラスとその建物について紹介していきます。

日本の有名なステンドグラスたち

世界遺産暫定リストとは?

先に、世界遺産の暫定リストを簡単に紹介してみます。世界遺産とはユネスコによって「世界共通の価値を持つ財産」と認定されたものです。(詳しくは世界遺産のステンドグラスのページに載っています)さて、世界遺産として認定されるためには、いくつかのステップを踏まなければなりません。

まずは自薦・他薦による推挙から始まり、そのうち、世界遺産に加えるかどうかを真剣に検討する段階と認定されたものが、暫定リストに名を残すのです。大浦天主堂を始めとした教会群が世界遺産に認定されるかはこれからの審査次第ではありますが、随分と前進したといえるでしょう。これからの検査に期待がかかります。

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国宝とは?

日本が独自に制定した文化財保護法の中で、特に重要なものを重要文化財といいます。その重要文化財の中で、さらに歴史的価値などが高いと判断されたものを国宝と呼ぶのです。ただし、法律上国宝と重要文化財については扱いが変わるわけではなく、ほぼ名称上だけの違いといえるでしょう。

なお、文化財保護法が施行される1950年の前では逆に重要文化財全てが国宝と呼ばれていたので、混乱が生じています。実際は重要文化財でも国宝でも扱いや重みが変わるわけでは無いのですが、名称的に注意が必要です。

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日本最古のステンドグラス? 大浦天主堂

日本最古のステンドグラスとも言われる、大浦天主堂は長崎県長崎市にあります。国宝であり、大浦天主堂を始めとする教会群は、日本で最も世界遺産に近い位置にいます。さて、国宝というのは、特に歴史的な文化意義が強いものに与えられる称号なので、日本の場合は東大寺など寺院仏閣や日本風の書画骨董など、日本古来の文化に与えられることがほとんどで、洋風建築の大浦天主堂はこの意味で唯一の国宝と言えます。この国宝指定に大きく尽力したのが、日本最古とも言われる大浦天主堂のステンドグラスなのです。
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こんなところに日本最大級のステンドグラスが?

現在、いくつかの教会が「自分のところにあるステンドグラスが日本最大である」と言っていますが、その中でも、国内最大級といえるステンドグラスが東京にあります。実は、皆さんよくご存知の場所、国会議事堂の中にあるステンドグラスがそうです。一般人にはなかなか見る機会の少ないものですが、国会議事堂という役目のせいか華美とはいえないものの、落ち着いた丁寧なつくりになっています。なお、国会議事堂に使われたステンドグラスは国産初のステンドグラスを製造した宇野澤辰雄(うのざわ-たつお)一派の手によるもので、その後の補修もやはり宇野澤ゆかりの工房が担当しています。
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アメリカ式ステンドグラスの始まり

慶応義塾大学図書館には、1890年、アメリカから帰国したばかりの小川三知(おがわ-さんち)が製作を手がけた大ステンドグラスが現存しています。(ただし、オリジナルではなく複製ですが)初の国産ヨーロッパ式のステンドグラスが製造されたのが1889年ですから、ヨーロッパ式、アメリカ式が相次いで製造され始めたわけですね。

さて、この慶應義塾大学のステンドグラスは、ドイツ・ヨーロッパ式よりも華美で細かく、より絵画的なつくりになっています。できれば国会議事堂のステンドグラスと、こちらを見比べてもらえば、両者の違いが判って面白いものです。

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アンティークステンドグラスの楽園

大分県の由布院ステンドグラス美術館は、日本初のステンドグラス美術館です。ステンドグラス美術館をなのるだけあって、アンティークステンドグラスから始まり、ドイツ、イギリス、フランスなどのヨーロッパ代表的なステンドグラスなどを堪能することが出来ます。特に併設された聖ロバート教会の大ステンドグラスは圧巻といえますね。日本では珍しいステンドグラスをメインにした美術館なので、楽しめると思います。簡単なステンドグラス作りの体験コーナーもあるので、基本的な作り方も学べます。
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願いのこめられたステンドグラス

最近注目を浴びる“赤ちゃんポスト”ですが、赤ちゃんを置いていく部屋にはマリア像をモチーフにしたステンドグラスが掲げられています。中の様子が観察できないように、ステンドグラスになっているのですが、もうひとつ大事な理由があります。それが「本当にわが子を置いていっていいのか? よく考えたのか?」ともう一度考え直してもらうための最後の説得として、わざわざ聖母マリアのステンドグラスを用意したと言うわけです。
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日本のステンドグラスのこれから

日本のステンドグラスの歴史は浅いとはいえ、現在ではあらゆる情報が瞬時に飛び交い、情報面での立ち遅れによるマイナスなどもはやゼロに近いでしょう。さらに日本には最新の技法も、それを実現する技術力もあります。近年は日本風のモチーフも増え、個人でステンドグラスを作る、ホビーとしての人気も認知度も高まってきています。

ただし、近年有名になってきたとはいえ、日本にはまだステンドグラスのマーケットが(経済力に比べると)小さいと思います。ここの問題さえクリアできれば、ステンドグラス業界の先は明るいのでは無いかと思います。

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