ステンドグラス〜ガラスが描く世界

ステンドグラスと言われれば教会などに設置されている、さまざまな形のガラスが組み合わされたものをイメージするかと思います。ああいう大掛かりなものは無理にしても、窓ガラス程度の大きさであれば手作りすることも可能なので、ホビーとしても最近人気があります。

ここではステンドグラスそのものを紹介しますので、まずはここでステンドグラスの世界を知ってもらいたいと思います。

ステンドグラスってどんなもの?

ステンドグラスとは

ステンドグラスは大まかに3種類にわけられます。一般的には色ガラスをさまざまな形に組み合わせたものを鉛でつないだもののことを指します。そのほかには、ガラスそのものに色味を焼き付けて絵画調に仕上げたもの、平面表現だけにとどまらず、美しい立体造形を描き出すものなどもあります。以上3つの技法をもう少し詳しく話してみましょう。

ステンドグラス

板ガラスにさまざまな絵を描き付け、釜で焼き上げます。加熱した際、線にゆがみなどが出ることが多く、難しい技法です。特に、一度に巨大な絵画を完成させることはさらに難しく、次に紹介するレディドグラスの手法を併用して、複数枚で一枚の絵画として完成させることが多いようです。

レディドグラス

一般的にステンドグラスといえばこのレディドグラスのことです。複数に切り分けた板ガラスをH型の鉛のレールの溝にはめ込んではんだ付けし、一枚の作品に仕上げます。そのままではガラスが安定しないので、レールの隙間にパテ(昔はセメント)を詰め込んで固定します。

ティファニーテクニック

レディドグラスでは、鉛のレールを使用する関係上、どうしても大きくなりがちで、細かい細工が難しいという弱点があります。その弱点を克服したのがティファニーテクニックと呼ばれる技法です。レールの替わりに銅のテープを使い、はんだで接着します。この技法により、細かい表現や立体的な表現が可能になり、ランプシェードなど幅広い分野でステンドグラスが使われるようになりました。ただし、大きなものを作るときには使われません。

ステンドグラスは総称

以上、実際のところはお互いの技法をカバーしあったり、複数の技法を併用したりしていることがほとんどなので、厳密にどれが正しいステンドグラスである、という事はありません。ステンドグラスの種類というよりは、作り方の種類といった方が正しいのかもしれませんね。
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ステンドグラスとガラス

ステンドグラスが美しい理由の一つに、光の透過・反射を楽しめる事があげられます。よくみると、同じような色ガラスでもさまざまな色調などがあったりして、その複雑さがさらに際立ちます。いくつかのポイントを紹介してみましょう。

ガラスの表面処理

ステンドグラスの表面をツヤツヤにするか、ザラザラにして曇らせてみるかなど、それだけでもまったく違った表現になります。例えば中央のポイントになる部分をツヤツヤのガラスにするか、周辺をザラザラにするかとでは随分変わることがイメージできると思います。

ガラスの色調

ガラスには、他の金属を混ぜ込んでいくことによって色をつけるというお話をしました。具体的にはガラスの溶液の中に、金属溶液を混ぜ込んでいくのですが、その混ぜ具合によってもまた表現が変わってきます。よく混ぜ込めば均一な色、軽く混ぜただけならマーブル状の模様が出来上がります。均一なものはどこを切り取っても同じですが、マーブル状のガラスの場合、どこをどう切り取って、どのように生かすかが、ステンドグラス職人の腕の見せ所になる訳です。

色調の濃淡

金属溶液を混ぜて色をつけていく、ということはその量によって色の濃いガラス、薄いガラスが作れるわけです。例えば同じ青でも、濃い青から薄い青まで、数種類のガラスを使うことによって自由なグラデーションを表現できるのですね。ただ、色を作るときには(ガラスは熱している間は真っ赤なので)どのくらいの溶液を混ぜるか、見た目では判断できません。職人の経験が大きく物を言います。

ガラスの凹凸

ガラスには平らな表面のものや、故意に凹凸を残したものなどがあります。表面に凹凸があれば、当然光の反射も違いますから、見る側の立ち位置など、さまざまな要因で違った表情を見せることになります。
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ガラスに色をつける方法あれこれ

色ガラスの製法にはさまざまな方法があります。上で紹介したガラスと金属の混ぜ方によるマーブル模様というのは、現在あまり人気がありません。マーブル状態がどのように出来るかが、あまりにも運任せのところが大きいからです。そこで現在主流になっているのが、きちんと均一にした色ガラスを複数用意し、他のガラスにくっつけて一体化をはかる方法です。

色ガラスのチップを振りかけたり、棒状に伸ばした色ガラスを混ぜ込んだりなど、さまざまな手段があります。模様がどのようにつくのかある程度コントロールできるのが特徴で、全て機械化された現在でも、色ガラスの混ぜ具合などは職人がおこなう工房も珍しくありません。

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